競売と任意売却の違いは売却方法の違いだけ?それぞれの特徴とメリットとは
2024/07/14
競売と任意売却の違いは売却方法の違いだけ?それぞれの特徴とメリットとは
不動産を手放す際、特に住宅ローンの返済が難しい場合には、競売と任意売却という2つの主要な売却方法があります。 しかし、これらの方法にはそれぞれ独自の特徴とメリット・デメリットがあり、どちらが自分にとって最適かを判断するためには、正確な情報を知ることが重要です。 この記事では、競売と任意売却の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説し、最適な売却方法を選ぶための参考情報を提供します。
□競売と任意売却の簡単な違い
競売と任意売却は、不動産を売却する際の2つの異なる方法です。 それぞれの基本的な仕組みと手続きについて理解することが重要です。
1:競売とは
競売は、債務者が住宅ローンなどの返済ができなくなった場合に、裁判所を通じて差し押さえた財産を売却する手続きです。 競売の特徴は、裁判所が関与することであり、これにより不動産や動産が市場に出されます。 例えば、住宅や土地、さらには宝石や自動車なども競売の対象になります。 競売では、通常「期間入札」という方法が採用され、あらかじめ決められた入札期間内に入札が行われ、最高額を提示した人が買受人となります。
2:任意売却とは
任意売却は、住宅ローンの残高が売却価格を上回るオーバーローン状態の不動産を、債権者の許可を得て一般市場で売却する方法です。 住宅ローンの返済が困難な状況にある場合に、競売を回避する手段として有効です。 任意売却は市場での売却であるため、価格が競売よりも高くなることが多く、また手続きの進行もある程度調整可能です。 このため、外部に知られにくく、プライバシーを保ちながら売却を進められます。
□競売と任意売却それぞれのメリットとは
それぞれの方法には特有のメリットがあり、状況に応じて最適な方法を選択できます。 ここでは、任意売却と競売のメリットについて詳しく見ていきましょう。
*任意売却の3つのメリット
1:価格が高くなる可能性がある
任意売却は、一般市場での売却となるため、競売に比べて売却価格が高くなる可能性があります。 競売ではオークション形式で売却が行われるため、相場以下の価格になることが多いです。 しかし、任意売却では市場の相場に近い価格で売却することが可能で、場合によっては相場の8割から10割の価格で売却されることもあります。
2:所有物件の情報が世間に出回らない
任意売却では、所有物件の情報が一般の不動産売買と同様の方法で取り扱われるため、競売のように情報が広く世間に出回ることがありません。 これにより、プライバシーを保ちながら売却を進められます。
3:残債を分割支払いできる可能性がある
任意売却後に残った債務については、債権者との交渉次第で分割支払いが可能になる場合があります。 分割和解の契約を結ぶことで、生活に支障をきたさない範囲での返済が可能となり、経済的な負担を軽減できます。
*競売の2つのメリット
1:売却の手間がかからない
競売は裁判所が主導して売却手続きを進めるため、債務者が売却手続きを行う必要がありません。 これにより、売却の手間がかからず、時間と労力を節約できます。
2:任意売却より長く住める可能性がある
競売は、滞納から所有権移転までに約9か月から1年以上の期間を要するため、任意売却よりも長く現在の住居に留まることができる可能性があります。 ただし、これは長期的な生活設計には必ずしも最適な選択とは言えない場合もあります。
□まとめ
競売と任意売却は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持つ売却方法です。 競売は裁判所の手続きを通じて迅速に売却が進む一方で、任意売却は市場価格に近い価格で売却できる可能性が高く、プライバシーの保護や柔軟な返済計画が可能です。 どちらの方法が最適かは、個々の状況によりますが、競売の迅速性と任意売却の価格優位性を考慮し、自分にとって最も有利な選択をすることが重要です。
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